arukuwaが誕生するまで

こんにちは、当社から先日リリースされたarukuwaを開発するに至った経緯を今日はお伝えしたいと思います。

地域密着のリユースショップがなぜ?

当社は『リユースで地域と社会に貢献する』という理念を掲げ、2014年4月に古物営業許可を得て営業を開始しました。

2016年6月より、近隣地域の住民からリユース品を預かり、インターネットを介して第三者への販売を代行する事業を開始しました。当初は、地域住民にサービスを認知してもらうことに苦労しましたが、地道な営業努力の結果、近所の主婦層の口コミや紹介により顧客数は年々増加しております。

ファッションリユースの市場規模は2019年までは毎年10%代の成長が続いており(矢野経済研究所『ファッションリユース市場に関する調査』より)、SDGsにおいても12「つくる責任つかう責任」の目標が掲げられるなど、今後もリサイクル・リユースに関する機運は高く推移し続けるものと思われます。

2020年はじめ、突如として人類に襲いかかった新型コロナウイルスは世界を混乱に陥れ、人々や企業の活動は、自粛と解放を繰り返しました。そしてその混乱が収束する気配は未だありません。当社の主要サービスであるリユース事業は、人流の抑制が販売や仕入に直接の悪影響を及ぼします。人々が外出することを大幅に制限された結果、当社の売上の大部分を占める婦人服に対する購買意欲は大幅に冷え込みました。

コロナ過が気づかせてくれたこと

そんな環境のさなか、新型コロナウイルスによって外出と自粛を繰り返す人々を眺めながら、ふとあることに気がつきました。それは、新型コロナウイルスの存在を誰も知らなかった時から、そのずっと前から、外出することができなかった人々、いわゆる引きこもりの少年少女や、心に病を抱えた大人たちが存在したことです。

メディアは新型コロナウイルスにより影響を受けた人々への保障の必要性を叫び、政府はそれに呼応するように様々な施策を賛否両論渦巻く中で実行しました。しかし、それと同時に、それ以上に手を差し伸べなくてはいけない存在がたくさん取り残されていることにふときがついたのです。

カウンセリングでも医療でもなく

これらの人々を救う社会の仕組みとして心理カウンセラーや心療内科などの医療機関が存在していることは承知しています。しかし、引きこもりとなってしまった人々が、こもりきりになっている部屋、寝たきりになっている布団から抜けだし、身なりを整え、カウンセリングルームや医療機関まで足を運び、一度も会ったことの無い人と顔を合わせ、自身の悩みを打ち明け、元気を取り戻すまでの一連の過程を、自分自身の力のみでやり遂げることは、非常にハードルが高いといえます。このように、自分の力だけで心療内科や医療機関を頼って、積極的に状況の改善に向かって行動をできるのは、むしろ少数派です。

arukuwaプロジェクトのスタート

多数派とも言える人々、例えば、外に出てカウンセリングを受ける、心療内科を受診する決心がつかない中で、もがき、苦しみ、力を振り絞り、なんとか立ち上がり、パソコンに向かう。そして[引きこもり 立ち直りたい][うつ病 外出したい]とキーボードをたたいて検索をする人々。例えば、インターネット大手検索サイトgoogleにおいて[引きこもり]というキーワードは、毎月平均で『5万回』が検索されています。そうした人々の小さなSOSを拾い上げ、外出するための最初の第一歩を踏み出すためのサポートをししたい。そう考えたことがarukuwaプロジェクトをスタートさせたきっかけです。そうして、人知れずどこかで眠っている人間力を、地域や社会に呼び戻し、その力を再び発揮してもらうことは人間力のリユースととらえることもできます。当社がかかげる『リユースで地域と社会に貢献する』という理念にもあてはまるものです。